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対馬の山々について

 対馬には、国の天然記念物に指定されている山がいくつかありますが、それぞれの指定された理由がそのまま対馬の歴史的・地理的特徴を表しています。
 国の天然記念物としては、厳原町の龍良山(たてらさん)、美津島町の白嶽(しらたけ)、上県町の御岳(みたけ)などがあり、その他にも、美津島町の金田城(かねだじょう)は国の特別史跡に、厳原町の清水山城は国の史跡に指定されています。


白嶽(しらたけ) 〜大陸系植物と山嶽信仰〜

 美津島町洲藻(すも)・加志(かし)・厳原町阿連(あれ)にまたがる白嶽は、古来より山岳信仰の聖地として崇拝をあつめ、また大陸系植物と日本系植物が混生する珍しい植生により、「洲藻(すも)白嶽原生林」として国の天然記念物に指定されています。


 地質は石英斑岩で、山頂には雄岳・雌岳の大露頭が見られ、360度のパノラマを楽しむことができます。標高は519mで、難易度はやや高め。


龍良山(たてらさん) 〜縄文の森の生き残り〜

 厳原町内山(うちやま)地区の龍良山は、対馬固有の信仰である天道信仰の聖地として崇められ、長く入山が禁じられていました。そのため、日本各地で農耕や開発によってほぼ姿を消している太古の照葉樹林が現在も残されており、大正時代に天然記念物に指定されました。自然生態の学術的価値も高く、「森林生物遺伝資源保存林」等に指定されています。


 森林内には、平均樹齢200年のスダジイやイスノキの巨木がそびえ、かつて西日本一帯に広がっていた照葉樹林がどういったものだったのか、垣間見せてくれます。
 標高は559mで、登山道などが整備されていないため難易度は高。(対馬の自然のパンフレットなどに使われるスダジイの巨木までの難易度は低)

対馬植物図鑑「対馬・龍良山麓自然公園」
http://marugoto.cool.ne.jp/tsushima/syokubutsu-zukan/map/tatera/tatera.htm


御岳(みたけ) 〜絶滅種キタタキの森〜

 上県町の御岳もまた山岳信仰の聖地として崇められ、また日本ではここだけに生息していた巨大なキツツキの一種「キタタキ」の自生地として国の天然記念物に指定されました。その後キタタキの生息は確認できず、天然記念物の指定解除を受けましたが、同時にヤイロチョウなどの貴重な鳥類が繁殖する「御岳鳥類繁殖地」として再指定を受けました。


 針葉樹のモミ類と広葉樹が混生する森で、ツシマヤマネコが生息することでも知られています。
 標高は490mで、登山口近くの御岳公園には駐車場・トイレなどがあり、登山道途中の階段なども整備されています。雄岳までは比較的行きやすいものの、雄岳から平岳・ドウ坂登山口へ降りる道は少々判りにくく、難易度は中。


金田城(かねたのき) 〜防人たちが水平線を睨む〜

 金田城は、667年に天智天皇によって築かれた朝鮮式の山城で、築城の背景には、唐・新羅(しらぎ)連合軍による百済(くだら)の滅亡と、百済に送った大和朝廷の援軍の敗北(白村江の戦い)、それによる国際情勢の緊張がありました。東国から徴兵された防人(さきもり)たちの状況や心境が、万葉集などに残されています。


 登山道が整備されており、山頂からは対馬の山並みと水平線を望むことができます。7世紀の遺構である金田城の石垣に加え、日露戦争の際に再び要塞化された際の砲台跡が残されており、国の特別史跡に指定されています。標高は275mで、難易度は中(トレッキング程度)です。
 場所は、美津島町箕形(みつしままち・みかた)、地質は石英斑岩です。




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