光るキノコ「シイノトモシビタケ」について

目次

 こんにちは、今年も光るキノコとツシマヒラタクワガタが気になっているエヌです。

 闇夜の森を彷徨しているただの不審者なのですが、これがテレビ番組の取材につながったりするので、結果オーライということで(^^;)

シイノトモシビタケ
シイノトモシビタケ その1

 さて、2022/6/17(金)の夜に、「光るキノコ観察会」を試験的に行い、いろいろ調べてみたので、そのまとめです。

光る生き物の種類

 原始的なバクテリアから魚類まで幅広く光る種が確認されていますが、いわゆる植物や両生類以上の高等動物?は光らないようです。

光る生き物(一部の種類が光る)

 細菌(バクテリア)
 菌類(キノコ)
 ヒトデなどの棘皮動物、軟体動物、昆虫などの節足動物から魚類まで

光らない生き物(発光する種が確認されていない)

 植物(シダ植物・種子植物)
 両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類

「SUPERサイエンス 生物発光の謎を解く」(著)近江谷克裕、三谷 恭雄(産業技術総合研究所)より

光る理由

シイノトモシビタケ
シイノトモシビタケ その2

 動物の場合は、姿を隠す(発光することで逆に影を消す)、餌を探す(サーチライト)、目くらまし(深海で強く発光するなど)、コミュニケーション(オス・メスがそれぞれの位置を知らせるなど)などが考えられます。

 キノコが光る理由は、夜に目立つことで胞子を運ばせる(接触する、あるいは自らを食べさせる)など諸説ありますが、まだ解明されていないようです。

光る仕組み

シイノトモシビタケ
シイノトモシビタケ その3

 ホタルは、ルシフェリン(発光素)がルシフェラーゼ(発光酵素)により酸化されることで発光し、発光キノコも同様と考えられていましたが、ヒスピジンとキノコにふくまれる酵素が反応するなど、ちょっと違う仕組みで光るようです。

 ちなみに「ルシファー」は、「光をもたらすもの」「明けの明星」を意味し、元は最高位の天使、のちに堕天して魔王になるあれですね(よっ、オタク!)。

対馬で見られる? 発光キノコ

 いまのところ、対馬で確認されている光るキノコは2種類?ですが、まだまだあるかも・・・。

シイノトモシビタケ

シイノトモシビタケ
シイノトモシビタケ その4

 学名はMycena lux-coeli(ミケナ=きのこ、ルックス=光、コエリ=天国の)で「天国の光のキノコ」。

 スダジイの朽ち木を好んで生え、闇夜に光るので、漢字では「椎の灯火茸」。

 傘径1~2cm(大きいものは3cm)、高さ1~5cmほどの小さなキノコで、傘・ひだ・柄など全体が発光します。

 1950年代に東京の八丈島で発見され、長らく特産種と考えられていましたが、現在は宮崎・大分・和歌山・三重など各地で発見され、長崎県でも五島や対馬で確認されています。日本特産種。

ヤコウタケ?

ヤコウタケ?
ヤコウタケ?

 学名はMycena chlorophos(緑色の光)、漢字では夜光茸。

 亜熱帯地方など国外にも広く分布する発光キノコの代表種です。

 2021年に撮影した発光キノコの写真にヤコウタケらしきものがあったのですが、今年は未発見・・・。

 1969年に対馬で採集された、という記録があり、また2016年にYohboさんと國分英俊先生が美津島町で撮影した光るキノコがこれではないか・・・と思っています。

虫つれづれ@対馬v2「アカマダラ」
http://blog.yohbo.main.jp/?eid=907696

対馬の自然と生き物「デンドロビューム フラビフローラム」
https://jf6ied.exblog.jp/25915295/

光る時期

シイノトモシビタケ
シイノトモシビタケ その5

 和歌山など他の地域では、5月中旬から発生して梅雨時にピークを迎え、8月頃にいったん消失、9月ころに再び発生するようです。
 キノコなので多湿状態を好みますが、高温・乾燥する真夏は減るのでしょうね。
 平均気温が20度近くになった後、降雨があれば狙い目です。

 ちなみに対馬では、

2021/5/22 シイノトモシビタケ初見、多数確認・撮影
5/28 撮影
5/29 撮影
6/8 ヤコウタケ?も撮影
6/22には確認できず。

2022/5/14(土) 確認できず
5/30(月) 確認できず
6/1(水) 確認できず
6/8(水) 数本のみ確認・撮影 (6/10に予定していた観察会を1週間延期)
6/15(水) 多数確認・撮影
6/17(金) 「光るキノコ観察会」実施

 2022年の発生が遅かったのは、降雨が少なく、乾燥した低温の日が多かったためかと思われます。

発生地

 いまのところ、対馬島内のある山中に、ある程度広く分布していることが確認されていますが、似た環境は他にもあるので、探せばまだまだ出てきそうです。

シイノトモシビタケ
シイノトモシビタケ その6

 夜間の山中では、ツシママムシ(有毒)・ムカデ・マダニ(最近は致死率の高い感染症も・・・)などの危険生物、道迷いや転倒事故、貴重な自然植生の踏み荒らし・盗掘などの問題もあります。

 先日の観察会で課題と可能性が抽出できたので、対馬の自然の素晴らしさを知り、それを持続可能な形で楽しんでいくための体制整備・ガイド養成・ルールづくりを進めていきたいと思います。

元記事はこちら→エヌの世界ブログ